水木は△△海岸から、車を飛ばし、川瀬アンナのいる○○海岸へと、急いでいた。
ドラマ撮影の監督から、ミスを指摘された時、瀬川杏奈と共にマネージャーは、必死に頭を下げたが、記憶がおぼろげであった。
大変な事をしたと、血の気が引き失せ、それどころでは無かった。
ようやく、川瀬アンナと瀬川杏奈の書類が入れ違って渡っていた事を認識した。
今日、アンナからは、ケータイに着信が入っていない。
水木側からかけても、アンナは電話に出なかった。
それが、ますます、困惑を深め、良からぬ想像ばかりが肥大し、水木の顔面に滝の様な汗が伝っていた。
「馬鹿じゃないの!?アンタ!!」
助手席の罵声を受けながら、水木はアクセルを踏む足に力を込める。
将来を有望とする、新人モデルの身に危険が及んでいなければ良いがと、強く念じるばかりであった。
「でも、その川瀬アンナって娘も、不運な娘よねぇ…。AV撮影だって気付かないんだから。水木、今更急いだってダメよ!もう男優にヤラレちゃってるんだから。あははは…!!」
その水木の心配を見透かすように、杏奈が嘲笑した。
「そんな事言わないでください!」
「だって、監督から裏で話があったんでしょ!レイプの企画だなんて頭にくるわ!女優に内緒で、犯すなんて!事務所も裏で汚い事やるからよ!!」
先ほど、事の真相を話した時から、杏奈は怒っていた。
高速道路をおり、○○海岸最寄りの駐車場に車を停めると、鍵もかけずに水木は飛び出した。
海岸を見渡すと、雑踏で埋め尽くされ、撮影班が見当たらない。
(どこだろう!?)
しかし、冷静に考えると、人ごみでは、撮影は無理ではないか!
そう推測し、海岸の人のいない場所に目を向けると、隅に確かに数名の人影が映った。
その中に一人がカメラを構えている姿を微かに認識できた。
水木は息つく暇もなく、一路その方に走ってゆく。
すると、次第に人影は大きくなり、希望は絶望へと暗転していった。
アンナの叫び泣く声が聞こえる。
アンナは後頭部を底辺に、背中を丸く折られたまま、両腿をV字にし秘穴を天に向けていた。
一人の男優が彼女を跨ぎ、一物を膣に突き下ろし、入を繰り返している。
傍らで構える他の男優二人は、微かな光沢を残し、満足そうにしぼんだペニスをぶら下げ、事を終え、撮影を見守っていた。
水木が表情を歪ませ、監督に駆け寄った時、最後の男優は自身を女から抜き、射精を宙に放った。
水木の後を追った、杏奈にもその情景がありありと見え
「あーあ、モデルさんなのに…。」
と、半ば面白そうに呟いていた。
そうとは気付かないスタッフは、アンナの使用済みの秘穴にカメラを寄り、肉厚な花弁を珍しそうに収めていた。
天を向くポッカリと半開いた入り口には、穏やかな日差しが降り、漆黒の洞窟の中まで照らし肉のうねる様を覗かせていた。
後日、水木は始末に奔走していた。
事務所の大事な大器に傷を付け、事件が外に明るみに出ないように、事務所役員も含め頭を下げ金で片付く事は、金を積んでまわった。
あれからの数日は地獄であった。
しかし、その甲斐なく2ヶ月後、例の撮影フィルムが、保管場所から紛失していた。
誰かが謀反を起こし、横流していた。
それを知り得たのは、某動画サイトで会員用に流されていたからであった。
川瀬アンナはそれから、メディアに姿を見せる事はなくなった。
〜完〜