頃合いを見て、中富が腕時計に目をやり、
「兄貴、そろそろ開店の時間ですぜ。どうします?」
と、荒井に問うた。
「ん?もうそんな時間か!?そうだな…。」
荒井は考える素振りを見せながらも、料簡はまとまっているふうであった。
「ちょっと、待ってろよ。」
そう言うと、由梨子をマットに下ろした。
女を寝かせると、挿入しているペニスを抜き、
「さあ、今度は四つん這いになれよ。」
と、由梨子に臀部を突き出させ、自身はその背後から肉棒の先端を秘穴にあてがった。
荒井が腰を繰り出せば、「はあぁんッ!」と、由梨子が艶めかしく喘ぎ、男の肉は最奥へと伸び、突き刺さった。
まるで女の格好は、男を欲するがごとく、尻を高々と突き上げ、荒井を導き入れているようにも見えた。
荒井は由梨子の双臀を両手で目一杯に掴み、荒く抽送を叩きつけ、バッシン!バッシン!と、肉と肉のぶつかり合う音が浴場に響き渡った。
「はぁぁん!いくゥゥー!いい…、あぁ…!硬い!硬くて大きいわぁぁ!!」
由梨子は娘の目もはばからず喘ぐ。
「そうら、中に出しちゃうぞぉぉ――!!」
荒井は、ふうふうと、息を荒げ、最後の一撃を臀部へ叩きつけると、由梨子は背を反り、びくびくびくん!!と身体を震わた。
貌を掲げ、白い首筋を張り、括られた髪が舞う。
「はゥんっ!ああ!!…はぁぁっ!いぃ…はゥんっ!!」
悲鳴のような雄たけびを放ち、由梨子は崩れ落ちた。
女の胎内へ潜り込んだ肉は、男の至福に耽り、先端から白濁を放った。
断続的に銃のトリガーを引くような響きが荒井の下腹部で鳴り続けた。
荒井が由梨子の中に自身を入れたまま、琴恵に目をやり
「今、おじさんのおチンチンはどんなふうになっているか知ってるかい?」
と言った。
脅え、フルフルと首を振るだけの女の子に荒井は続けた。
「こんなふうになっているんだよ。」
そう言いながら、琴恵の腕を掴み手繰ったのだ。
「きゃ!」
驚いた少女の悲鳴が浴室に響いた。
ふと顔を上げると、そこにはペニスを抜かれた母親の膣口が半開き、咲いていたのだ。
マットの上に横たわり、打ち上げられた魚のように、ヒクリヒクリと情事の余韻に耽る母親の姿があった。
男はその母親の片足を掴み、股間の見通しを良くする為、掲げて見せたのだ。
娘は美しく崇高なイメージとはかけ離れた卑猥な景色に目を覆いたくなるが、その時、ドロッと、秘穴から白濁の粘液が溢れ出たのだ。
琴恵は驚愕し、目をむいた。
「どうだい?見なよ。おじさんは、お母さんの中でこの白い液を出していたんだよ。いっぱい出てきたね〜。この為にオチンチンは女の人の中に入るんだねェ。」
果てたまま下腹部を見世物にされた母親のみっともない様に二度と癒しようのないショックを受け、琴恵の表情は崩れた。
そして荒井の腕を振り切り、泣きながら、外へ出ていったのだ。
それを見送りながら、今度は中富を見、
「開店の準備しとけ。お前が番台に立って接客しろよ。」
と、言いつけた。
「綺麗な裸体だろ〜?こんな裸を見ると苛めたくなるよ。これからこの女に地獄のような恥をかかせてあげたいんだ。へへ…。」
荒井の目が獣のような光を滲(にじ)ませて笑った。
時計の針が、16時30分を回ると、銭湯の表扉に営業中と札が下がった。
17時前になると、近所の常連客が次第に姿を見せる。
銭湯の斜向かいにお店を構える豆腐屋の池谷(いけや)の旦那が銭湯のドアを開いた。
「もう、大工の宮さんは、来てるかなぁ?」
そう言いながら、その50を迎える老体に似つかわしくない大柄な体がノレンを潜った。
しかし、番台にいたのは、見慣れない若い男だった。
「あれ?今日からあんちゃんが番かい?」
キョトンとした表情で、池谷は中富を見つめた。
「いやぁ…。すいませんね?今女将さんは、取り入った用がございまして…。」
そう中富が頭を垂れると、愛想を交え笑った。
「なんだ。由梨子ちゃんの美乳…じゃなかった!笑顔が見れないと、一日の疲れが残っちゃうなぁ。」
池谷は、仕方のなさそうな顔をし、ポケットから入浴料の500円を取り出し、番台の上に置いた。
「毎度、ありがとうございます。もう少したてば、由梨子さんが見えますから。」
「ん?そうかい?」
そう聞き、オヤジは気を直し「帰り際くらいには顔を見せてよね。」と言い、奥の脱衣所へ入っていった。
池谷は、体を洗うと、誰もいない一番風呂へ身体を沈めた。
澱(よど)みのない透明な湯が浴槽の縁から溢れ、ザザザザァァァ――!と大きな音になった。
池谷の楽しみは入浴しながら、常連達との雑談である。
しかし、今日は自分が一番客の為、他を待たなければならなかった。
ふ――ッ!と肩まで湯に浸ると、大きな息を吐いた。
雑談といっても、商売の景気がどうだの、近所の風俗に可愛いお姉ちゃんが入っただのと、他愛のない話題でしかないが、それが年老いてゆく男を支える力でもあった。
自分はまだまだ、男として現役であるという自負があった。
すると、しばらくして、番台に座っていた例の若い男が、大きなマットを持って、浴場へ入ってきた。
そして、そのマットを洗い場の間へと敷いたのだった。
「ん?それは、なんだね?」
いつも目にする光景とは違い、池谷は中富に興味深く問うてきた。
「今日から、マッサージのサービスを始めようかと思いまして…。初日とあって今日だけは無料ですから、どうです?旦那。」
「そうかい?タダならひとつお願いしようかな?」
そう言うと、池谷は湯から身体を上げた。
「では、ここに仰向けになって寝ていてください。」
中富が言った。
そうして池谷が寝たのを見届け、場所を離れようとした。
「あれ?君がマッサージしてくれるんじゃないのかい?」
「いえ、今マッサージ師が来ますから。」
と、だけ言い残し、中富はドアの外に出て行った。