〜裸体〜



一周が約1時間の空中の回遊。
スタートして間もないゴンドラは約束事のように、女が激しく抗い、それを男が押さえる風景が見受けられた。
黒淵達のゴンドラでも違わず、女が懸命に抵抗する。
逆にもうすぐ地上に戻る真反対側のゴンドラに目をやるとまるで、何事もなかったかのように、静かなものである。
男の膨れ上がった欲望は全て獲物の中で吐き出され、狩人は萎んだゴム風船を股間にブラブラさせて、余韻にふけていた。
女は性器にこびりつく汚れた粘液を涙ながらにふき取り、乱れた着衣を整える。
そういった姿がいくつものゴンドラの中であった。
ドラマがハイライトをみるのは、頂上付近に差し掛かる30分以降であり、その辺りのゴンドラを眺めると、必ず目に飛び込む景色は全裸の女性が欲望を叩き込まれている姿である。
苦悶に絶叫しながら、それでも助けを求めて窓にある落下防止用のパイプにしがみついている。
女の腰をガッチリと男が手前に引き寄せ、下半身の放つ抽送に合わせ、タップン!タップン!と胸元の豊かな果実が踊っていた。
窓によってくりぬかれた、密室の光景は、正確にいえば、男女の上半身と腰骨の辺りまでしか確認できないが、おそらくその下腹部は肉茎の侵入者が女の肉裂をこじ開ける事に成功し男の欲望が叶えられたか、あるいは、その真っ只中である。
「いやだっ…!!助けてよ!黒淵君!!」
柚希が傍にいるもう一人の男に嘆願を見せる。
背面に両手首を結束された女は、脚で石上を押しのけていた。
シートに腰を下ろし、右足、左足を交互に突き出し、自身と男との間につっかえをつくる。
その為、黒淵の角度からは、柚希のスカートの中が見え隠れしていた。
お嬢様だからなのだろうか、質の良さそうな肉が腿を包む。
その動き回る両腿の間に帆を張ったパンティの船底が、垣間見えていた。
薄ピンク色。
彼女のパンティの色である。
抵抗する柚希を押さえつけるのにてこずる石上に、見かねた黒淵が、手を貸しに近付いた。
黒淵の手が伸びる。
そして、彼女の肩掛けを剥ぎ取ると、肩にかかるキャミソールの紐を外した。
「ひやっ!!」
と、短い悲鳴をあげ、女は身をよじらせた。
自身の着衣に危機が迫った事を悟った柚希はその手を払おうと肩を振る。
しかし黒淵が間髪早く、彼女のドレスは腹部まで一気にずり下ろされた。
服が返り、裏地を見せながら、女体の稜線を這い、ミルク色の透き通る双乳がまびろ出た。
裸になった母性の形が、ベールを脱ぐ瞬間、おののく様にタプン!と波打ったのだ。
服に巻き込まれるようにして、ブラジャーの肩紐もろとも一緒に剥ぎ取られ、ゴンドラ搭乗から10分も経っていないうちに、上半身が裸を見せた。
腕の自由のない女は黒淵を睨みながら、その表情は苦悶に満ちていた。
隠す事も許されない。
曝け出された乳房が、窓に映し出され、身をよじれば揺れる。
自身の惨め極まる姿に、女の目は涙の膜が覆い始めていた。
「Cカップの85cmくらいか。」
ヒゲの男が女の露になった乳に無遠慮に手を伸ばし、タプタプと掌の中で転がした。
「いや、触らないで…!」
黒淵も石上と同じく、ケダモノであるのか!?
自身の目を疑う様に柚希は、黒淵を見た。
今まで、顔を突き合わせる仲間と思っていたのだが、今、愕然たる思いは覆せない。
石上の想いを寄せる女のベールが一枚また一枚とはがれ、生まれたままの姿へと向かう。
その愛しい姿に男達は鼻息を荒げ、指先を柚希の下半身へと伸ばした。
男のやらしい薄笑いは消えそうにない。
「大切な花弁を開いてやろうかぁ?」
そう言いながら、石上は彼女の纏うタイトスカートの裾を擦り上げた。
「い…いやぁぁぁぁッ!」
必至に抵抗する柚希の頑張りを嘲笑いスカートは腰巻のように臍の辺りにわだかまりをつくった。
女の下腹部を隠す最後の砦はレース模様の鮮やかな造りをしていた。
腰骨近くまで深く切れ込んだパンティのVラインは、彼女の脚をより美しくみせ、艶やかに大人びたふうを醸していた。
腰の両側にぶら下がる結い目は、それが紐パンだと示し、石上がそれに目を付けた。
「19歳のお嬢さまが、こんな、はしたないパンツを履いているなんて、意外だねぇ。」
躊躇なく石上の指がその結び目へと伸びてゆく。
「ひ、ひィィィィィィィィ!!!」
男の動作に女は、ハッと大きく目を開き思わず悲鳴をあげた。
当然である。
丸出しの下半身の薄い布切れ一枚の向こうに彼女のラヴィアが潜んでいるのだから。
擦り寄った指が紐をピン!と指先で弾く。
「誰も助けになんか来ないんだよ!」
と、男が吐き捨てた。
それを横目で見ながら、黒淵は持参の鞄から一本の縄を取り出していた。


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