回遊時間も半分を過ぎ、20分程度しか残されていない。
黒淵は柚希の両脚を縛る縄を解いた。
一瞬、脚が自由になり、抗うチャンスを得たが、女に反発する気力さえ残っていなかった。
それ程までに、先ほどのストリップが、女の自尊心を壊していたと言っても過言ではない。
しかし、ここから、さらに今までとは違った恐怖が女を苦しめる。
解かれた脚には縄の締め付けた痕が紅色に染まって雪白の素足に巻き付いていた。
柚希は虚ろな眼差しで、自身のその痛々しい痕を眺めていた。
黒淵は、寸分の時間を惜しむかのように、縄を解いた手が忙しなく動かせ、再び女を違う格好で縛り付けた。
両脚はあぐらを組む状態で組み堅められ、下半身の身動きを封じていた。
両腕こそは今までと同じように背面で固め、上半身で揺れる双乳も絞り出され、ロケット型をしたままであった。
ゆえに下半身のみが格好を変え、まるで大仏様のようにどっしりと太腿を床に着ける構えになっていた。
黒淵がハンディカムで女を正面から見下ろすアングルでレンズを向ける。
ファインダーには、あぐらの中の彼女の縮れた陰毛が、見えていた。
しかし、今度はМ字ではない為、女の大事が隠れた形だという状態である。
「これじゃ、具合が悪いじゃないかなぁ?」
そうぼやく石上に、黒淵が心配に及ばないとばかりに、鎮座する柚希の背中を押し、うつ伏せに倒して見せた。
すると、女の顔が前にのめり、頬を床に埋める格好になったのだ。
両脚が縛られたままの身体は、あぐらのまま、倒れた事もあり、ヒップを男の顔面に向かって、突き上げる格好にならざるをえなかった。
「ははははっ・…!!大仏様が女なら、下から見るとこんな形になっちゃうんだ!!」
物珍しそうにレンズを彼女の歪んだ淫裂にあてがう。
組み伏せた脚の中にまろび出たお宝に舌舐めずりしていた。
カメラを石上に手渡すと、黒淵は柚希の後ろに両膝を床に着き、陣取った。
それから、気付けの平手打ちを彼女の双臀に送り、パシィィン!!と音を室内に響かせたのだ。
「ひぃッ!」
女の身体が慄き、震えた。
そして、突き出された臀丘の間で濡れ光る秘唇に、男は己のペニスをあてがったのだ。
「そんなぁ…酷い事しないでぇ…。」
女の哀訴など無視し、男が腰に力を込めようとした瞬間、ゴンドラの中にケータイの着信音が鳴り響いた。
「なんだ…。電話か。」
曲は今、人気のポップシンガーの最新曲であり、その音源は柚希の鞄の中から歌っていた。
石上がそのケータイを勝手に取り出すと、コンパクトを開いて画面を覗いた。
そのディスプレイに映し出された番号は母親と登録されていたものであり、どうやら、柚希の母親が電話を寄越したものらしかった。
勝手に他人の鞄からケータイを取り出す石上の無神経な行為を視界の片隅で困惑気味に見ていた女に、一瞥くれて、二人の男は違いに目を合わせた。
それが、何やら以心が伝心した二人のアイコンタクトらしく不気味に思えた。
そこに、石上が薄笑いを浮かべながら、その手にしたケータイを柚希の耳に当て、通話ボタンを押してしまった。
次の瞬間、電話口の向こうから母親の明るい声が飛び込んできた。
「もしもし―――!ゆーちゃん?お母さんだけど…!」
間の悪いタイミングで電話がかかった。
自身の哀れな状況など、いくら身内の者でも知られたくはない。
女としての自尊心が蹂躙されている最中ではないか。
「や、やめて…。」
強張った表情の女に向かい石上が、「ほら!お母さんに説明してあげなよ!一体、どんな格好になっているんだい!?」と、男達は下劣な形で女を追い詰めてゆく。
柚希は必至に首を振り拒んだ。
「今日はみんなでお食事にいく約束していたじゃない!?……ねぇ…。ゆーちゃん、今日は何時位にお家に帰ってくるの!?」
柚希は母親の問いかけに対し、平生を装い、目一杯明るく振舞った。
「あ……うん!大丈夫だと思う。6時位には着くと思うから……。」
懸命にボロが出ないよう、取り繕う。
できれば、手短に電話を済ませて欲しい本音があった。
「あ……それから、ねぇ…。以前、ゆーちゃんに新しい靴を買ってあげようかしらって話してたでしょ……。」
母の話好きが災いして電話を切る素振りが見受けられない。
「あ……うん。覚えてるけど!!」
と、それでも、健気に母に一問一答で返す。
その姿を笑いながら、黒淵は自身の腰にグイッ!と力を込めてみた。
女の秘裂に亀頭がめり込む。
「あは・・…うぅぁ…。」
微かに、口を突いて喘ぎが漏れ出した。
それが、電話口の向こうにも届いてしまったのだ。
「何!?ゆーちゃん、どうしたの?具合でも悪いの?」
「ううん…。何でもないから……はぁ…心配しなくても…くぅ…いいから。」
母親との会話の真最中にもかかわらず、娘の秘穴をズブッ…ズブッ…と欲望に満ちた侵入者は突き進む。
零れる喘ぎを必至に消そうとして、母親により一層大きな声で明るく振舞う。
「あ、そうだ。その靴、私はエルメスの新作のヤツがいいな…。」
「うーん。そうねぇ…。」
娘の窮地など知る由のない母親は声を弾ませていた。
その間もヒゲの一物は彼女の一番深い場所で快楽を貪っていた。
肉塊を出し入れする度に、女の蜜壷が繰り返す収縮を楽しむ。
「そうねぇ…靴を買うなら、お食事も銀座でして、一緒に済ませちゃおうか!?」
「あぁん…そ…そうね…。うぅ…。」
パシン!パシン!パシン!パシン!
次第に速くそして、力強さを増す、ピストンで男の腰が女の臀丘を叩く。
男女の営みの音が電話口の向こう側にいる母親の耳にも届いている可能性すらある。
女は、その不安を抱え、音をかき消したくて、より大きな声で会話が途切れぬように努める。
その姿が男二人には面白くてたまらない。
懸命に取り繕いながら、会話をする彼女は黒淵の動作に異変を感じていた。
そのピストンは止む事なく先程の石上のフィニッシュと酷似していた。
「ほれ、ほれ、大変だぜぇ…。クロの精液は。濃さが半端ないからな!!今まで何人孕ませたと、思ってんだ?」
傍らにいる石上が饒舌になる。
「15人中、14人が妊娠までいったんだぜ!!確立90%以上だからな!」
それを、聞き、彼女の表情に更なる絶望の色が広がり始める。
冗談では、済まされない。
女の体に妊娠という痕跡が残ることは、今の努力も何もかもが意味を失う事である。
生殖器を守ろうとしる防衛本能が作動する。
下半身を逃れようと、抗いながら、母との会話を続ける。
「い…いくっ!!」
黒淵の独り言とも取れる呟きが何のもよりも大きく、柚希の中で響いた最後の声であった。
心配させたくないと、母をおもんかばる娘を笑うように、ギロチンの刃は切って落された。
「それから、銀座に行くなら、お母さんの鞄も買っておこうかしら…。ほら、以前二人で、カワイイねって言ってたルイ・ヴィトンの小さいバッグ。」
会話の最中、柚希の最も清らかな場所で、灼熱に燃え上がった白いマグマが飛び散った。
「いあ゙ぁあ゙ぁあ゙ぁ゙――――――――――――――っ!!!」
断末魔の絶叫がゴンドラの中で激しく駆け暴れ回った。
通話口の向こうにもはっきりと届き、言葉はないが母親は目を剥いていたことだろう。
「何!?どうしたの!?」
突然の咆哮に戸惑う母が娘を危惧した。
「あぁ…う、ううん…何でもない…よ!」
柚希の可愛らしい瞳から涙が溢れてきた。
「ケータイの電池が切れそうだったから…。」
「そう…それなら、いいけど…。」
嘘をつき、その場を誤魔化し会話を終えた柚希を見届け石上はケータイの電源を切った。
女のふくよかに突き出た尻が男と接している。
愛液と精液が混ざり合い蜜に満たされた肉壷はヒクヒク動くまま男にしがみ付いていた。
一仕事終え、その役目を果たしたにも関わらず、ペニスは淫裂に食い込ませたままで、愛撫を繰り返す感触を味わっていた。
「もうすぐ、地上に着く。」
後、10分足らずで、解き放たれる密室の宴に余韻を噛み締め、黒淵は呟いた。
くちゅ…くちゅ…と淫らな音をたて、絡み合い歪んだ女の形を眺めていた。
ー終わりー