〜魔の手〜



「ウチの元村ちゃんが随分とお気に入りの様子じゃないか!」
ニタニタとしながら、強面の筋肉質の男が最後に姿を現した。
舎弟の間を押しのけ、ヌッ!と立ちはだかった。
それは、まさしく昨日の暴漢犯の男であった。
あの時の戦慄が、女の中に甦った。
「ひいっ…!」
香織は思わず悲鳴した。
隆々とみなぎる筋肉を纏った大男が山の様に香織の前に立ちはだかった。
木場 亮一である。
身長158cmの香織に対し、185cmはあるだろうか。
男の上半身は、ボディビルダーの様にオイルで油ぎった光沢を放つ。
その全身は、ブーメランパンツを一枚履いているのみ。
布切れが、ごく小面積、男の一物を覆っているが、その卑猥さは、ほぼ全裸と言っても過言ではない。
強張る表情の香織に対し、木場は己の肉体を誇る様に構えて見せた。
「うん?どうだ…?セクシーだろ?男の魅力ってヤツを感じるか?」
ニタニタと薄ら笑いし、女の体を舐める様に見つめてきた。
ブーメランパンツの盛り上がりが、ヒクリ…ヒクリ…と、生き物みたいに微かに蠢いた。
布越しであるが、その男の大きさは尋常ではない。
恐怖の眼差しで、それを見た香織に木場が高笑った。
「がははは…!そんなに、心配しなくてもたっぷりサービスしてやるよっ!その可愛いお口で好きなだけ頬張るがいい!…おまけに、下のお口でもねぇ…。」
すると、周りの男からも、クスクスと笑う声が聞こえた。
「ヒヒヒッ…。きっと、下のお口がヒイヒイ言うぜ。」
その下品な言葉に香織は両腿をグッと合わせ、堅く閉ざした。
「冗談じゃなわっ!変態!!アンタにたいなブサ男に抱かれる様な趣味は無いの!」
女は精一杯の強がりを見せたが、周囲を取り囲まれている為、逃げる術は無いのだ。
その絶望的な状況に香織の両脚が、震え出した。
「いや。お前はオレのチンポを咥えて、アンアンよがるんだぜぇ…。ムスコの準備は万端なんだよ!」
そう言いながら、男は自分の野太い五指を、パンツにかけるとズルリと一気に下げた。
まるで、封印から解かれた大魔神が、飛び出すかの様に、巨大な大蛇が、ブルン!と全容を曝した。
(ひっ!)
女は声にならない悲鳴をあげた。
全身が恐怖に縮み上がる。
その大蛇は天を穿っていた。
茶褐色を帯びた肉が今にもはち切きれんばかりに勃起し、巨体を脈動させる。
「美味しそうなおっぱい実らせて、揺らしながら歩いた日には、こっちのオチンポはズキン・ズキンおっ起っちまうぜ。」
木場のやらしい眼差しが、水着に包まれた乳房を這った。
「元村ちゃんに、色目使いやがって、ぜ〜んぶ見てたんだからな!」
香織が元村を挑発していた仕草は、全部木場の目に入っていた。
プルン!プルン!と揺れる小麦肌の柔丘が男の欲望を煽っていたのだ。
香織のななめ後方にいる舎弟からは、水着のお椀からこぼれる、脇乳が見映えていた。
自信のスタイルを良く見せる為に、一サイズ小さい水着を選んだ事が、仇となったのだ。
横の視線に気付いた香織が、ブラを指で直し、僅かにずらしながら持ち上げた。
(そんな……やだ!)
グラビアアイドルの様に自身のバストに合わないサイズの水着が、収めきれない乳房の肉を、お椀の端から溢していた。
尻を覆うパンツも、臀丘の狭間に食い込む姿を見せ、豊かな丸みを誇張するかの様に、水着のアールのラインが、肌に走る。
香織はパンツに手をかけながら、出来る限り肌の露出を隠そうと、整えた。
前から、後ろから、香織に纏わりつく視線から逃れ様と必至に取り繕っていた。
「お嬢ちゃんのお尻を見ていると、ムラムラして、しょうがねぇなぁ…。」
声のした後方を向き、キッ!とその舎弟を睨みつけた。
野蛮な下心に激しい不快感を抱いたのだ。
しかし、その瞬間、前方に立つ木場の手が、香織に伸びた。
(しまった!)
香織がそれに気付いた時には、遅かった。
僅かに判断が遅れ、木場の右手が女の水着を掴み上げる事に成功した。
パンツの前。
女の飾り毛を覆うV字の部位を掴み、締め上げながら釣り上げた。
まるで、Yシャツの胸ぐらを、掴む様に絞ってくる。
「い…いやあああああぁぁぁ…っ!」
下腹部から持ち上げられ、女がつま先立ちになる。
懸命に地面に足を這わせ、バランスをろうとしていた。
遂に、野獣たちの、毒牙が獲物に襲いかかった。
女の大事な部分に水着が、食い込んで噛み付いてくる様だ。
香織がいくら、叫んでも、雑林の壁に打ち消された。
香織の胸に戦慄が走る。
ビーチから目と鼻の先の距離にいながら、音も視界も完全に外界と、遮断された世界に捕らえられてしまったのだ。
蒼褪める女の表情を覗きながら、木場はほくそ笑んでいた。
「すべてが終わるまで、逃げられないぜい!」
最悪の状況に苛まされ、次第に霧が立ち込める様に、香織の頭の中は、白く染まっていく。
ガシャリ!!!
続いて金属質の乾いた音が、辺りにこだました。不意を突くタイミングで、香織の両手首に手錠がかけられた。
両手を後ろに組む姿に、固められたのだ。


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